まぁ、あまり不満もないし、普通に弾けるし、音も出るし、毛替えもできるし。
しかし、ちゃんとした弓はどういうものなのか、やっぱり気になる。
そして私の弓と出会うための旅は始まった。
第1回目の旅行先はヤマハ銀座店。

土曜で歩行者天国の人波をかき分けるようにして、バイオリンを担いで辿り着いた。
心強い旅のパートナーはバイオリン友達で弓マニアのT氏。
数日前に電話で要望は伝えてあった。
167,000円のヤマハのカーボン弓を軸に
同価格帯の木の弓
50万円の木の弓
100万円の木の弓
これにその場で
330,000円のカーボンのザハール・ブロン シグネチャーモデルを追加。
用意していただいていた試奏室に通されて、早速試奏開始。
先入観を持たないように、価格は言わないで出してもらった。
一通り試したが、167,000円のカーボン弓は速攻で却下(重い、音が1万のカーボンを置き換えるほどの差がなさそう)。
330,000円のカーボンの方がまだいい感じだが、木の弓と比べると、ちょっとがさつな音がする気がして却下。
微妙な音色の出方とか、扱いやすさがよく、これが一番、と思った弓がやはり100万円だった。
ではその弓が1万円の弓の100倍いいのか?(笑)という疑問の答えは出ない。
さすがT氏。試奏室から出て行ったかと思ったら、さらに追加の弓を持った店員さんを連れて戻ってきた。

その中の1本を指して、「これ、お薦めですよ」と言ってくれた弓。
その他、さまざまなメーカー、上下の価格帯の弓を試したが、結果的に、私はこれがすごーーく気に入った。
音色が抜群だった。
自分で弾いたり、T氏に弾いてもらって確認したり。
その名もMorizotのモダン/オールド弓。
「オールドって、つまり中古品じゃないですか」と茶化しながらも、どんどんのめり込んだ。

弾き込むほど、T氏にも「段々馴染んできましたね」と言われ。

店員さんも音大卒とのことで、音大生やプロが使う弓について質問に答えていただいたり、この弓の素性、状態の良さや将来の変化の見込みなど、丁寧に教えてくださった上に「今すぐご成約頂けるなら上と話してお値引きも検討できます」と(プラス入り口でもらった団扇の100円割引きクーポンも使っていいと(笑))。
このお話、相当ぐらっときたが、まだ1回目の旅路。
事情を話して、S倉とかKサワとか行ってこの価格帯の弓を見てみて、どうしても守蔵となったら連絡させてもらいます、と告げて第1回の旅は終わりを迎えたのだった。
守蔵を薦めてくれたT氏に感謝である。また同行して貰えたら嬉しい。